2012年10月25日木曜日
ルートダブル レビュー
以下はネタバレを含みます。
未プレイの方は要注意。
東京バベルから続き、またエロゲじゃないゲーム。
フルコンプしたので軽くレビューしていこうと思います。
★ストーリー総括
BCという、テレパシー(相手に自分の意思を伝える)や
エンパシー(相手の意思を読み取る)が科学的に実証され始めた世界。
(更にその先には、相手の意識に自分の意識を繋ぎ、記憶の消去・改竄を
行う事ができるセンシズシンパシーがある)
キーパーソン9人については以下の通り。
1.笠鷺渡瀬
レスキュー隊『シリウス』隊長。
大昔、双子の姉・亘がレスキュー隊でヒーローになるのに憧れていたが、
コミュニケーターAが引き起こした火事により、亘は死亡。
姉の夢を引継ぎレスキュー隊に志願。
有能なレスキュー隊として活躍するが、ある日亘が死んだ事件の原因が
コミュニケーターAに、引いては超心研・鹿鳴市にある事を知らされる。
怒りに震える渡瀬はテロ組織Qの一員となり、ラボにテロを仕掛け、被験体達を
救出しようとする、が、被験体N(凪沙)を攫い(救出し)、移動している最中に
Nの悪意に汚染される。
それによりサリュ(を撃ったのは堂島だが)やましろ、夏彦に襲いかかった渡瀬は
決死の夏彦のセンシズシンパシーにより記憶を破壊される。
そして倒れていた所を風見や洵に発見されて√Afterが始まる。
2.天川夏彦
Sクラスコミュニケーターであり、ラボに務める天才科学者・天川美夜子の息子。
だが、実は産まれた頃はCクラスだった。
小さい頃、悠里とラボに忍び込んだ際、運悪く凪沙の脱出計画に巻き込まれ、
WX粒子を浴びた事により運良く(運悪く?)悠里と共にSクラスコミュニケーターに
変異する。 しかしその変異によりラボに隔離されそうになるが、悠里の必死の頼みに
より夏彦は平和な暮らしが約束される。(BCを使わない限り)
しかし、交換条件として隔離された悠里が、事故で死んだと聞かされ夏彦の精神が崩壊。
数ヶ月に渡り心を病んで入院状態となる。
そんな夏彦のために、美夜子に頼まれ夏彦の記憶から悠里の記憶を消そうと悠里は
試みるが、結局消す事ができず、かわりに夏彦の中に架空の悠里が生まれる事に。
後の9年間、夏彦は家から出る事が出来ない設定の、架空の悠里と暮らしつづける。
(一年に一回、健康診断という名目で悠里の記憶のメンテナンスも行なっていた)
そして、ある日ましろのエンパシーによってテロに気づいた夏彦達は、テロを
阻止すべくラボ内に乗り込むが、結局事故が起きてしまう。
まだ真実を知るには早すぎる状態の夏彦の心を鍛えるために、悠里が居なくても
夏彦の周りには頼れる仲間がいる事を教えるために、悠里は√Beforeで
夏彦の記憶をひたすらに繰り返し続ける。
3.琴乃悠里
コミュニケーターだったため、鹿鳴市に引っ越してきた少女。
両親からも良い扱いを受けておらず、幼少の頃に夏彦と仲良くなる。
が、ある日ラボで事件に巻き込まれ、9年間ラボでBC関係の実験に
付き合わされる事に。
事件当日、このままでは夏彦の精神(未だ悠里を引きずっている)は
耐えられないと思い、夏彦の記憶を巻き戻し続ける。
そして遂に夏彦が真実に到達した所で、自分はもう死んでいると告げ、
夏彦の前から去る……が、凶暴化しはじめた渡瀬に捕獲されてしまう。
所がそこでましろと夏彦を見つけた渡瀬は(凶暴化していたゆえに)
悠里をそこに置いたまま、夏彦とましろを追いかけていく。
結果、一人火の中に取り残された状態で目覚めたましろは
必死に火の手から逃げるが、遂にどこかの部屋で焼かれるのを待つ身に。
そこへ記憶喪失の渡瀬達レスキュー隊に救われ、脱出劇が始まる。
4.サリュ
本名、三ノ宮・ルイーズ・優衣
実は、昔15箇所で放火事件を起こしたコミュニケーターAが、ラボ内で
生んだ子供。(相手は超心研所属の研究員・安曇)」
Sクラスだった母親、アリス・アンフラメの遺伝子は受け継がなかったのが、
適正度はF。 研究には使い物にならなかったが、天川美夜子の計らいで、
記憶コピーのバックアップ(被験体N・凪沙が数多の人物の記憶を
センシズシンパシーで受取、それをサリュにコピーするという)要員として
ラボで生活していた。
しかしある日Nが使い物にならなくなり、役目を失ったサリュ。
そんな彼女に、美夜子は自分の息子・夏彦を護ってほしいといい
ついに一般社会で生活をはじめる事になる。
数多くの記憶を持っているために、頭脳明晰・運動神経は抜群だが、
代わりに人の気持ちを感じ取る事ができなくなってしまった。
(かわりに、ARMS・アリス(ましろ命名)を使って大体の相手の気持ちを読み取る)
5.鳥羽ましろ
夏彦の幼馴染、Bクラス(確か)コミュニケーター。
夏彦の事が小さい頃から好きで、ある日夏彦が壊れてから、9年間ずっと
悠里が居るものとして生活を送ってきた。(時にはエンパシーで夏彦の心を読みながら)
ある日バスの中で不穏な人物からエンパシーでテロ情報を感じ取り、
夏彦達とテロ防止のために孤軍奮闘する。
6.橘風見
早くに両親をなくし、花屋で働きながら女手ひとつで歳の離れた妹・凪沙を
養ってきた。洵とも姉妹のような関係。
しかし、ある日おきた集合住宅爆発事件(後にこれはQがやったテロと判明)に
より凪沙を失う。(実際にはそれは鹿鳴市・ラボの嘘で、ラボ深くに幽閉されていた)
一時は心の平衡を失うも、洵のおかげで無事復帰。
同じような人を出さないためにも、消防隊……そしてレスキュー隊に入る事を志す。
不屈の精神により無事レスキュー隊に入った風見だが、自分が凪沙を失った
直後に迷惑をかけた、シリウス隊長・渡瀬に好意を抱き、付き合い始める事に。
ある日突然渡瀬から別れを告げられる(これは渡せがQに入ったため、風見との
関係を断ち切ろうとしたため)が、未だ渡瀬の事が忘れられない。
7.守部洵
風見・凪沙と仲が良かったが、爆発事故の時、凪沙と一緒にいて爆発に巻き込まれる。
一命は取り留めたものの、背中に大きな傷を残す。
風見がレスキュー隊を目指した事もあり、元々ヒーローになりたかった洵も
レスキュー隊を目指し、無事シリウスに入隊する。
8.椿山恵那
学園の教師だが、その正体はBC警察。
父はコミュニケーターAについていたが、過去のAの暴走時、身を挺して
暴徒からAを守り殉職。
そんな父の後を追うように同じ職につき、過去の父の部下を上司として
ひたすらに仕事をこなしていた。
そんな折、潜入捜査的な名目で学園に教師として入り込むが、生徒達と
触れ合う事で、本来の目的=コミュニケーター達を守りたいという
気持ちに目覚める。
ある日、鹿鳴市、ラボのやっている事に我慢の限界を迎えた恵那達は
ラボへと無理矢理捜査に踏み切るが……そこで、事件が起こる。
9.宇喜多佳司
ラボの職員。 かつては美夜子に研究者として憧れを抱いたりしつつ、必死に
研究を続けていた職員だった。 が、ある日ラボのさらに地下深くに被験体が居る
……つまり、ラボでは人体実験のような事をやっている事に気づく。
自分の中の正義感がそれをゆるさず、色々な所で鹿鳴市の闇を暴こうと
活動する……が誰も取り合ってくれなかった所に現れたQ。
テロという行為に引っかかりを感じつつも、宇喜多はQのメンバーになり、
渡瀬等の仲間を見つけ、ラボに反旗を翻す準備をする。
具体的には、爆発物をラボに持ち込み爆発事故をお越し、その時に確実に
呼ばれるレスキュー隊……渡瀬達の手により、被験体を救出、その存在により
鹿鳴市やラボを叩くという物だった。
しかし、被験体Nの悪意にそまった渡瀬達により同僚が殺され、渡瀬に裏切られたと
感じた宇喜多。渡瀬に食って掛かった所、殴られて意識を失う。
そのままケースN発動により事故現場に取り残されてしまう。
・歴史について
ある時を境に一斉に生まれはじめたコミュニケーター。
しかしその能力ゆえに気づけば一般人から迫害を受け始める。
鹿鳴市はそんなBC能力者を優遇し、各所研究所を建て、一大BC都市として
存在していた。(その代表として超心研のような研究所があった)
しかし反BC派は過激化していく中、フランスから迎えたコミュニケーターA
(アリス・アンフラメ)が、その能力の高さと迫害を受けた過去の人生からか
N化(Nobody化)と言われる状態になってしまう。
(N化とは色々な人とセンシズシンパシーを使いすぎ、心が溶けてしまった
状態。 得てして悪意の固まりになってしまうらしい)
そしてN化したAにより、ある日一斉に放火等の犯罪が起きる。
それを機に超心研からBCの研究所はラボへと移り、さらに鹿鳴市は
BCの研究地域なっていき、また段々と人道に反した行為を続けていく。
そして激化していく反BC組織達は気づけばテロ組織と化し、表明上平和に
見える鹿鳴市はギリギリのバランスで成立していた。
★全体評価
■シナリオ
発想自体は凄い!!! 面白かった!!!
ただ、シナリオ自体の質がちょっと……(何かフツウノファンタジーと逆の評価ですねぇ)
例えを上げると色々ありすぎて止まらないのですが、パッと思いつく所だと
・夏彦達がラボに侵入する手段がおそまつ。 あれだけ極秘機関があんな簡単に
潜入できる訳がない……
・ましろ、適当にBC使いすぎ。 バス止めるだの、バスの中でちょっと怪しい人がいたから
エンパシー使うとか
・予告編でも登場し、満を持して登場したラスボス、N! ……と思いきや本体は死体。
記憶の方もあっさり殺されていく。 最後だけねばったけどその頃にはドキドキ感は一切無し
と、割りと幾らでも上げられます。
後、Doubleルート頭とか遂に二人の道が交差して、キタキタキターーーー!
って感じでテンションが上がるのに、RAMが長すぎてものすごいダレる。
いや、各々の心情を知るって意味であのプロセスが無意味とは思わないのですが。
でもダレちゃったのはやはり事実で、それも勿体ない。
もっとRAMを減らすか、テキストを飽きさせない物にするかが欲しかった。
後半悪意の除去のルーチンワークから更に悪意染まってない人も一応覗いておく、だからなぁ。
とか悪い所ばかり挙げ連ねましたが、ゲームとしては寧ろ好きです。
話の発想自体が凄い良かった分、勿体ない! と思う所が多すぎたという所ですね。
■グラフィック
可もなく不可も無く……これといって思う所は無かったです。
特別カワイイ・上手い訳でもなく。
ゲームやっていく上であまり違和感は無いんじゃないでしょうか。
あ、子供時代の夏彦とましろはなんか微妙だった。
子供悠里は凄いカワイイ。(服装のせいだろうか)
■音楽
こちらはあまり印象に残る物はなかったかなぁ。
ゲームがゲームなので、BGMでもっと引き込めれば、更に
世界にどっぷり入れたかも、と考えると少し惜しい気も。
逆に気にならない程度のBGMって意味で丁度良いのかも?w
■ボイス
うーん、これは人によるけど、微妙なのも結構居たような。
まず夏彦が微妙。 特に子供時代の夏彦。 子供になりきれてない。
BGMと同じくちょっと勿体ないかなぁ、という所が多かったです。
後、洵に友永朱音(青山ゆかり)はボイス的にはあってると思うんですが、
あの人の演技力はもっと別の所で使って欲しかったなぁ……!
というのも思ってしまったり。
青山ゆかりの慟哭系のセリフは本当に真に迫っていて凄いんですよねぇ。
■キャラクター
これはそれぞれキャラが立ってて良かったんじゃないでしょうか。
影うすいキャラも居たりはしますが(洵とかましろとか)、9人それぞれ
色々な事情を抱えていて、それがじょじょに明らかに、しかも絡み合っている
様はだいぶ興奮する物がありました!
もうちょっと凪沙とか何とかならなかったかなぁ……
途中からN=凪沙じゃね? って割りとわかりやすくなってきたし……
悠里が実は居ないんじゃってのも途中で想定できるんですが、逆に
生きてるっていうのも上手いと思いました。
後サリュちゃん途中から空気www
★全体感想
えーと、先に悪い所を吐き出してしまいましょう。
シ ス テ ム 糞 す ぎ
別にdisりたい訳じゃなく、これはひどい。
まず、普通に固まる。
正確には固まっているというか、長時間放置して戻ってきたら、画面がそのまま
(右クリックするとメニュー画面に切り替わる音とかは鳴る)になってしまい、
閉じるしかなくなる。
しかも、そこで閉じるとそこまでオートでしてくれたクイックセーブも何故か飛んでいる。
クソすぎる。 これのせいで何回もEnter連打してた事がありました(´・ω・`)
とにかくこういうバグは本当になくして欲しかった。
話自体が個人的に凄い好みだったぶん、これが残念すぎる。
後は、センシズで分岐をするのが……選択肢の無いゲームって所に新しい要素を
見出したかったのかもしれませんが、ぶっちゃけ選択肢で良かったかなぁという所。
こういう、システムを特殊にする事でゲームの面白さを加速できたゲームで
パッと思いつく所でYU-NO(と初期ループゲー)ぐらいだと思うんですよね……
と、まぁ散々文句を言ってるように見えますが、面白かった……!
話がほんともろ俺好み。 時期的に3/11の地震からの原発事故があったので
非常に出しづらい作品だったと思うのですが(原発じゃないのに本当は!!w)
良く出してくれた! と言いたい所です。
本当に各所勿体ない所がシナリオの構想を引っ張ってる感じだったので、
次は更なる良作を出してくれる事を祈ります。
っていうか何でこれエロゲーで出さなかったんだろ?w
18禁作品にして、もっと血みどろの作品にしても良かったかなぁとは思ったw
さ、次はZERO~INFINITY~やるぞ!
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